デジタルで建設をDXする

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

デジタルで建設をDXする・1/樋口一希/大林組が空調設計支援システムに機能追加  [2021年1月14日]

BIMZONE-Σ-2020のフロー

 大林組は、BIMと連携した空調設計支援システム「BIMZONE-Σ」について、空調、換気、照度計算や、個別空調機器、照明器具の選定などを実施し、その条件下での1次エネルギー消費量とコストを算出する機能を追加した「BIMZONE-Σ-2020」を開発した。

 □BIMと連携した設備設計支援システムの開発でエネルギー計算と概算コスト算定を効率化□
 BIMZONE-Σは、BIMの情報や室用途ごとの空調設計条件データベースを活用することによって熱負荷計算プログラム「NewHASP/ACLD」(※1)による熱負荷計算機能(BIM-LOAD)を備えている。加えて、建築物省エネ法に基づく1次エネルギー消費量の計算が可能なツール「WEBPRO」(※2)における標準入力法(※3)に必要な部屋ごとの外壁・窓面積データをBIMから自動で入力することが可能だ。
 BIMZONE-Σ-2020は、標準入力法で必要な設備機器仕様を決定するに際して、空調計算・換気計算・照度計算を自動で実施するとともに機器の選定が可能な機能(BIM-MULTI、BIM-VENT、BIM-LIGHT)を追加した。選定した機器仕様は、同システムに組み込まれた「WEBPRO-API」に自動入力(BIM-ENE1)されることで、標準入力法による1次エネルギー消費量が計算できる。選択した空調機器や照明器具の概算コストを算出する機能も追加したことでエネルギー計算とコスト算定を同時に行うことが可能だ。

 ■BIMZONE-Σ-2020に追加した機能概要
 ・BIM-MULTI(個別空調機選定支援機能)=BIM-LOADを通じて計算された熱負荷計算結果を利用し、ゾーンごとに分けた熱負荷集計表を作成することで個別空調機器を選定可能。
 ・BIM-VENT(換気排煙設計支援機能)=BIMから取得した室面積と天井高、室用途ごとの設計条件データベースから必要換気量を求め、設計換気計算書と機器選定表を作成。換気ゾーニング、換気経路・換気方向を示した複雑なエアバランス経路図(※4)も作成できる。
 ・BIM-LIGHT(照明設計支援機能)=BIMから取得した室面積・形状、器具データを基に照度計算・輝度計算を行い、計算結果を確認しながら器具を選定できる。
 ・BIM-ENE1(標準入力法による1次エネルギー計算機能)=BIMの情報に加えて選定した機器と器具仕様からWEBPRO用の入力データを自動作成する。
 (※1)NewHASP/ACLD=2012年4月に建築設備技術者協会から公開された最新版の高精度な動的熱負荷計算プログラム。1年を通じた熱負荷計算など精緻に熱負荷の検討が可能。
 (※2)WEBPRO(建築物のエネルギー消費量計算プログラム〈非住宅版〉)=建築研究所が提供している建築物省エネルギー法で規定された非住宅建築物の省エネルギー基準への適合性を判定するためのプログラムとそのAPI(Application Programming Interface)。
 (※3)標準入力法=省エネルギー基準に準拠した省エネ評価方法の一つで、簡略化された「モデル建物法」よりもさらに精緻な評価が可能。空調対象室ごとの外壁・窓面積データに加えて空調・換気・照明・給湯・昇降設備の設備仕様に関する消費電力を入力する必要があるため入力に手間と時間がかかる。
 (※4)エアバランス経路図=部屋が加圧・減圧状態にならないように、外から空気を取り入れ、外に排気する全てのルートの給排気量のバランスを表示した図のこと。
 新シリーズ「デジタルで建設をDXする」を開始する。DX=デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)。データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革することだ。BIMに象徴される建築の新たなデジタル転換をタイムリーにラジカルに追求していく。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。