下関北九州道路促進協、JAPIC/北九州市でシンポ開く、早期事業化へ意見交換

2025年4月30日 行政・団体 [9面]

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 下関北九州道路建設促進協議会(倉富純男会長)と日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、進藤孝生会長)は25日、「下関北九州道路シンポジウム~早期実現に向けて~」を北九州市内で開いた。会場とウェブ合わせて約1000人が参加。北九州市と山口県下関市を結ぶ3本目の道路として2026年初頭の都市計画決定を目指す下関北九州道路(延長約8キロ)について、両市長の対談や早期事業化への機運醸成に関する意見交換=写真=などが行われた。
 開会あいさつで倉富会長は「関門連携を確固たるものにし、道路への地域の期待、熱量を高めるため、実りの多い意見交換をしていきたい」と述べた。
 市長対談で武内和久北九州市長は企業誘致や人口の転入が加速する中、「下関北九州道路を早期に実現し、産業、観光、暮らしで、北九州をさらにパワーアップさせたい」と話した。前田晋太郎下関市長は「事故や大雨の影響で既存の関門橋や関門トンネルでは通行止めや交通渋滞が頻発化し、北九州と共に発展する上で、新たな道路は必要」と早期事業化の必要性を訴えた。
 続けてJAPIC国土・未来プロジェクト研究会の利穂吉彦氏(鹿島専務執行役員技術研究所長)が「下関北九州道路が拓く両岸の未来」と題した基調講演を行い、「これからが事業化の正念場であり、より多くの人に重要性を知ってもらう必要がある」と強調。事業の着実な推進に向け官民連携の新たな枠組みとして、開通後に橋梁をインフラツーリズムの舞台として収益化し、建設・維持管理費に還元する案などを提言した。
 パネルディスカッションでは九州経済調査協会の岡野秀之常務理事を進行役に、JAPICや両市の企業、団体の関係者が同道路の早期実現に向けた課題などについて意見交換した。
 関門地域は九州で生産される農産品や工業品を本州へと運ぶ物流の中継地点として重要なポイントであり、「新たな道路は機能強化のために重要な役割を果たす」との声が上がった。「民間のビジネス視点によって利用者を増やす方法を考えるべき」との意見もあり、PPPの活用は円滑な事業推進のためにも重要な検討課題となるとされた。