インフロニアHD/インフラ運営参入拡大へ、重点対象にスタジアム・アリーナなど

2025年5月1日 企業・経営 [3面]

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 インフロニア・ホールディングス(HD)は、コンセッション(公共施設等運営権)方式などによるインフラ運営分野への参入を拡大する。2025年度から3カ年の中期経営計画で事業拡大を支える重要戦略に設定した。ターゲット施設にスタジアム・アリーナや上下水道、道路などを列挙。これまでに蓄積したさまざまな施設やインフラの運営ノウハウを生かし、事業参入を積極的に提案。系統用蓄電池事業や海外コンセッション事業への参画も視野に入れる。
 中期計画の説明会で岐部一誠社長らが今後の戦略などを説明した。前田建設がコンセッションで4件の実績があるスタジアム・アリーナの運営は、今後数年でさらに増えると予測する。イノベーションパートナー契約を結ぶプロバスケット・Bリーグのアリーナ基準を満たす施設整備・運営の需要を取り込む。
 上下水道の運営事業は神奈川県三浦市などで蓄積したデジタルツールを使った管路の予防保全をさらに高度化し、適用拡大を目指す。国土交通省が27年度に下水管改築の自治体向け国費支援要件を見直し、ウオーターPPP導入が決定済みであることを規定することも視野に入れ、新規参入案件を掘り起こす。
 道路の運営事業は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの普及で維持補修に充当しているガソリン税収の減少を懸念する。一般道の有料化が進む欧米の先行事例を踏まえ、民間事業者の提供するサービスに対し施設管理者がフィーを支払う指標連動方式の拡大を促す。