国土交通省は、都道府県と政令市が参加する「地方ブロック土木部長等会議(2025年度春季)」を12日の近畿を皮切りに全国8ブロックで開く。24年6月公布・施行の改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)を踏まえた現場の働き方改革や処遇改善、新技術活用などの推進方策を主要な議題とする。地方自治体発注工事を手掛ける中小建設会社の現場も含めた就労環境の改善や積極的な技術革新の取り組みの底上げにつなげる。
意見交換の議題として▽改正品確法を踏まえた取り組みの推進▽予算の執行促進策と執行上の課題▽新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)を活用したインフラ整備事業-の3テーマを設定した。
改正品確法を巡っては公共発注者共通のルールとなる「運用指針」が2月に改定され、25年度から新たな運用指針に基づく発注事務が始まった。例えば現場の休日確保や猛暑対応が求められており、直轄工事や自治体工事での取り組み事例を共有、水平展開する。新技術の活用に向け、小規模現場向けのICT施工の基準類の整備や、中小建設会社向けの講習会の開催を自治体にも働き掛ける。
改正法では国と自治体に公共工事の担い手の確保・育成を支援する努力義務を課す。職業訓練法人への支援や工業高校と地元業界の連携促進などを例示しており、自治体が主導する取り組みの情報共有を図る。
公共事業予算の円滑執行は、工夫事例などを引き続き共有。政府による国土強靱化実施中期計画の策定も控える中、自治体側で必要な予算を確保する観点でも積極的な対応を促す。政府が地方創生の推進へ展開する第2世代交付金は、実際の採択事例などを共有し、自治体による次回の応募に生かしてもらう。同交付金ではソフトとハードの事業を組み合わせた申請が可能になっており、インフラ・拠点整備につながった提案事例などを周知する狙いがある。
日程は▽12日=近畿(開催地・京都市)▽13日=中部(静岡市)▽14日=北陸(新潟市)▽21日=北海道・東北(山形市)▽23日=関東甲信(宇都宮市)▽28日=中国(山口市)▽29日=九州・沖縄(福岡市)▽6月4日=四国(高知市)。