回転窓/音読のススメ

2025年5月26日 論説・コラム [1面]

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 2004年2月、国の文化審議会から「これからの時代に求められる国語力について」と題する答申が出された▼情緒力と論理的思考力などが養える国語教育の在り方を提示したもので、現在の学校教育に反映されている。国語力を身に付けることの大切さが分かる興味深い内容だ▼例えば脳科学の知見も踏まえ、その効用について記述しているのが「音読」。声を出して読むことで国語力や独創力と関わる脳の働きが活性化するという。昔から科学的知見に基づいていたかは分からないが、授業に取り入れられてきたのも理解できる▼音読は子供たちだけでなく大人にもさまざまなメリットがあり、専門家が著した関連書も少なくない。音読で声を出すことにより「セロトニンという脳の興奮を抑えるホルモンが分泌され、自律神経がリラックス(副交感神経が優位な)状態へと切り替わる」と小林弘幸順天堂大学医学部教授が自著で解説している(『1日1分で自律神経が整う おとなの音読』SBクリエイティブ)▼わずかな時間でも効果が期待できる音読を試してみる価値はありそう。一人の時間をつくり実践してみたい。