お盆が明けてこれから秋の気配を少しずつ感じられていくはずだが、暑い日はしばらく続きそう。9、10月の気温も全国的に平年と比べて高いと予想される▼本来は暑い夏を過ごし、秋になって体調を崩すのが夏バテ。ところがこうも連日のように暑さが厳しいと、秋が訪れる前に体は悲鳴を上げてしまいかねない。こうした夏にも大切にしたいのが普段の入浴で、健康面からもシャワーで汗を流すだけでなく湯舟につかるのがお薦め▼入浴の温熱作用で血行がよくなり、新陳代謝も向上する。湯温や入浴時間を変えることで、胃痛や神経痛などさまざまな症状の緩和効果が期待できる▼たっぷりのお湯に浮力を感じてつかればリラックスでき、新たなひらめきを得られることも。そうした入浴の効用は温泉療法専門医・早坂信哉氏の著書『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)に詳しい▼湯舟という言葉は、江戸時代の小舟に浴槽を取り付けた移動式銭湯に由来する。江戸の人たちは川に浮かぶ湯船でくつろぎながらどんなことをひらめいたのだろうか。そんな想像を巡らすのも楽しい。