住んでいるマンションのエントランスにツバメが巣を作った。泥と枯れ草でできたおわん型の住まいに、1羽がちょこんと羽を休めていた。これから卵を産んで子育てに入るのだろう▼軒下などにツバメが巣を作るのは古くから縁起が良いとされてきた。外敵から身を守る習性なのだろうが、幸運や繁栄を象徴するものとされ、人は安全な存在という認識をツバメが受け継いでいる現れもあろう▼卵を産んで抱卵しふ化してから3週間ほどでひなは巣立ちを迎えるそうだ。最近はふん害などで巣作りを嫌う人もいるようだが、とりあえず自宅マンションは新しい住民を温かく迎えているようなので、短い間ではあるが子育ての様子を見守りたい▼ツバメは春になると東南アジアなどから飛来し秋が過ぎた頃に南へ戻っていく。寿命は1~2年程度で、確認は難しいというが15%位の割合で自分が生まれた巣に戻ってくるという報告もあるという▼狭いおうちにひながギュウギュウという光景は見ていてとてもほほ笑ましい。じろじろ見られてツバメの家族には迷惑千万かもしれないが同じ建物で暮らす住民同士、どうかご勘弁を。