1984年創刊のアイドル誌が7月22日に発売する号で40年の歴史にいったん区切りを付けるそうだ。芸能関連に限らず、このところ廃刊や休刊を決断する雑誌は多い。文字離れや紙離れといわれて久しいが、出版受難の時代はまだ続くのか▼次号を心待ちにして発売日に書店へ急いだのも今は昔。SNSなどデジタルコンテンツが定着したことで、欲しい情報はいつでもどこでも手に入るようになった。便利にはなったが情報過多はデメリットも少なくない▼学生の頃からマスコミ業界で働きたいと思っていた小欄。就職活動で多くの出版社を受験したが、当時は採用枠が少ない上、試験情報を得るのもひと苦労で、まさに狭き門だった。あれから約20年。廃刊や企業倒産といったニュースは珍しくない▼読者を獲得するには付録などの付加価値はもちろん大事。けれども最も大切なのは読者に支持される記事を届け続けるという基本姿勢を崩さないことだろう▼アンテナの感度を上げて情報を集め、記事にしてなるほどと思ってもらう。雑誌と新聞で違いはあるが文字を扱う仕事をする身として、その姿勢は決して忘れずにいたい。