堺市は泉北ニュータウン・泉ケ丘駅前地域に位置する旧高倉台西小学校跡地(南区高倉台1)の一部約1・6ヘクタールについて、民間活用方針の検討を急いでいる。当初は2025年度中の事業者公募を想定していたが、市場調査の結果を受け、民間事業者の意見や社会的ニーズをより的確に反映させる必要があると判断。公募条件のさらなる精査と関係制度の整理に一定の期間を要する見通し。
旧高倉台西小は少子化に伴う統廃合の一環として15年3月に閉校となった。跡地全体の面積は約2・2ヘクタールに及び、そのうち中央部分の6711平方メートルではみどり学園が大阪健康福祉短期大学のキャンパスを開設し、既に活用が進んでいる。今回の活用対象地はその東西に残る未利用地2区画で、敷地面積はそれぞれ4856平方メートルと1万0710平方メートルの合計1万5566平方メートルとなる。
市場調査は24年度に堺市の委託を受けて地域経済研究所が実施。10社を超える民間事業者に対し、面談形式でヒアリングを行い、事業化に向けた意見や要望を収集した。詳細な調査結果は非公表としているが、調査の過程で市が提示した土地活用の方向性には、売却または定期借地による活用を基本とし、子育て世帯や高齢者に配慮したマンションの整備を必須とするほか、介護・障害者福祉施設や人口増加時に備えた避難所・地域交流施設などの整備が想定されている。
泉ケ丘駅前地域はまちびらきから50年以上が経過し、住民の高齢化や地域機能の更新が求められている。市ではこうした背景を踏まえ、同跡地を含む一帯を「教育・交流コアゾーン」と位置付けており、駅前の利便性と住宅地の落ち着いた住環境の両面を生かした新たなまちづくりの拠点とする方針を打ち出している。
事業者の選定方法は公募型プロポーザル方式を見込む。今後の条件整理の進展に応じて、公募時期や応募要件などの詳細を示す。