回転窓/一室改修でリスク軽減へ

2025年6月20日 論説・コラム [1面]

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 今週は西日本と東日本を中心に高気圧に覆われて晴れ、沖縄から東北にかけて広い範囲で気温が上がった。急に真夏のような厳しい暑さとなり熱中症の危険を感じた方も多かろう▼熱中症は日差しのある屋外だけでなく、室内でも室温や湿度の高さ、長時間の作業など条件により発症する。特に断熱性能の低い住宅は夏に熱が入りやすく熱中症のリスクが増す。そうした住宅では冬に外気温と同じくらい室温が下がり、血圧上昇や心筋梗塞などのリスクが高まる▼建物全体の断熱性能を高める改修は経済的負担が大きく、断念するケースも少なくない。最近は一室だけ断熱改修し健康リスクを軽減する「一室断熱改修」が広がっているそうだ▼建築家の古谷誠章さんが断熱改修と同時に耐震改修や防火対策を講じ、一度の改修で複数の性能向上を図る「一室改修」を提唱している。会長を務める日本建築士会連合会が29日午前10時、一室改修をテーマにした基調講演・パネルディスカッションの動画(60分)を配信する▼一室だけでも性能アップできれば健康や生命に対するリスクを減らせるのか。専門家の知見から学び考えたい。