回転窓/「建築士の日」に考える

2025年6月30日 論説・コラム [1面]

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 団塊世代が後期高齢者となり、労働力不足などが深刻化していく社会現象は「2025年問題」とも言われる。超高齢化時代の到来が建設産業に及ぼす影響は大きい▼人材の不足感は高まる一方で、有効求人倍率を見ても顕著に表れている。先日開かれた建築関係団体の総会では、建築士の人数が減少していることに強い危機感が示された▼受験者の急減や高齢化を背景とし、18年の建築士法改正で1級建築士試験の受験機会が拡大された。その「建築士人材の継続的かつ安定的な確保」という目的は達成されたのか。先月に建築関係5会が発表した「国際的で魅力ある次世代の建築職能人材の育成に向けた提言」の中で、そうした検証も行うべきだと指摘した▼提言ではアーキテクトとエンジニアを包括した建築士制度を維持しつつ、国際的な信用性を増進する対応方策の検討を提案。建築士試験を実務の実態と整合した適切な内容にしていく必要性なども示している▼あす7月1日は、1950年の建築士法施行日にちなんで制定された「建築士の日」。多様なニーズに応える建築士の役割を改めて認識する一日にもしたい。

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