東京・中央区/橋梁長寿命化修繕計画を改定、予防保全でコスト減・5橋は架替

2025年6月30日 行政・団体 [4面]

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 東京・中央区は「中央区橋梁長寿命化修繕計画」を改定した。区が管理する32本の橋梁のうち約66%が完成から半世紀が経過している。維持管理コストの増大が予想できるため、区は予防保全型メンテナンスへの転換を急ぐ。今後50年で39億円程度のコスト縮減を目指す。首都高速道路の大規模更新に伴い、築地川区間に架かる5本は架け替えを前提に維持管理する。
 全体の3分の1に当たる11本が1920~30年代に関東大震災の復興事業として架けられた。戦後復興や首都高整備の一環で50~70年代に架けられた橋梁も9本ある。事後保全型メンテナンスを続けた場合、今後50年の維持管理コストは約200億円に達する見通し。縮減のため橋梁をグループ分けして計画的に修繕し、コストの圧縮と平準化につなげる。
 修繕の優先順位が最も高いのは南高橋、豊海橋、柳橋の3本。いずれも関東大震災の復興事業で架けられ、区民有形文化財や土木学会選奨土木遺産に選ばれている。耐久性を高める補修・補強を重点実施し長期活用を目指す。
 次に優先順位が高いのは首都高速道路に架かる14本で、コンクリートの剥落などによる車両被害を防ぐため、損傷が軽微でもただちに補修する。祝、亀井、三吉、新富、新金の5橋は首都高大規模更新に連動して架け替える方針で、二重投資を防ぐため補修にとどめる。
 区は「築地川アメニティ整備構想」として首都高築地川区間にふたをし、上部を緑化空間として整備する考え。実現に向け2024年に首都高速道路会社と協定を結んだ。緑化空間と一体になった「覆蓋化構造物」として更新する橋梁もある。