国土交通省は直轄工事の「舗装工」と「地盤改良工」の2工種で、ICT施工の原則化に向けた検討に着手した。ICT施工の実施を前提とした発注者指定型の範囲を2026年度から段階的に拡大し、27年度以降に原則化する方針。2工種ともICT施工を施工者希望型で発注した際の実施率が直近で7、8割と高水準にあり、まずは26年度から発注者指定型に切り替える範囲を年度末までに固める。
直轄工事では▽土工▽浚渫工(河川)▽同(港湾)-の3工種で25年度からICT施工を原則化した。24年度のICT施工の実施率は、土工が約89%、河川の浚渫工が約95%、港湾の浚渫工が100%と極めて高かった。国交省は工種ごとの実施件数・率や個別事情を踏まえ、ICT施工の原則化の対象工種を順次拡大する方針を示している。
舗装工のICT施工は発注規模に応じ、発注者指定型と受注者希望型の2タイプで運用。施工面積1万平方メートル以上で予定価格3億円以上の工事を発注者指定型としている。24年度の実施率は約75%。施工者希望型に限っても公告工事386件のうち約70%の272件で実施した。26年度は発注者指定型を適用する施工面積や予定価格の範囲を広げる予定だ。
地盤改良工のICT施工はすべて施工者希望型で運用している。24年度は公告工事173件のうちICT施工を実施したのが149件で、実施率は約86%に達している。26年度は予定価格が一定額以上の工事を発注者指定型として運用する方向で検討する。
先にICT施工を原則化した工種では工事成績評定で加点する措置を廃止した。提出書類はICT機器の「精度確認試験結果報告書」を簡略化し「出来形管理図表」を一定条件で不要としている。