関東地方整備局宇都宮国道事務所が、猛暑対策を試行する発注工事6件の詳細を明らかにした。7、8月の夏場に現場作業を休止。工事完了の時期を前倒したり、着手時期を後ろ倒したりして熱中症予防や作業員の働き方改革につなげる。同事務所は猛暑期間を避ける取り組みを事務所発注の「全工事に原則適用する」(笹木和彦所長)。引き続き発注工事で試行し効果を検証する構え。
猛暑対策は、7、8月に該当する工事の着手時期をずらして現場を休工する同事務所独自の取り組み。準備を猛暑期間に充てるなど工程を入れ替え、熱中症予防や夏季休暇を取得しやすくするなど作業員の働き方改革につなげる。工程の入れ替えは受発注者協議が伴い、状況に応じて工期の延伸も認める。
試行工事の内訳は▽路面補修=2件▽区画線設置=1件▽交通安全対策(交差点改良・歩道整備)=1件▽照明設備改修(LED照明設置)=2件-となっている。路面補修は2件とも現場作業の着手時期を9月に設定。うち1件は現場休工に伴い、夏季休業期間を「9日間から16日間まで取得できる」ようにする。
区画線設置、交通安全対策は暑くなる前の6月に工事を完了した。区画線設置は作業員を増員、交通安全対策は7月の夜間に残工事を行い猛暑を切り抜けた。照明設備2件は猛暑期間を材料製作の期間に充て、現場作業を10月に開始する予定だ。
猛暑期間を避けた工事は、2023年度と24年度の補正予算で発注した工事に1件ずつ適用している。宇都宮国道事務所はこの取り組みを「建設業界や社会構造自体を変えるモデルケース」と位置付け、他事務所への水平展開を目指す。
試行工事の詳細は次の通り。▽件名=工期。
▽R6国分寺管内路面補修工事=5月12日~26年1月30日
▽R6小山管内路面補修工事=4月8日~12月26日
▽R6国分寺・小山出張所管内区画線設置工事=3月27日~7月31日
▽R6小山出張所管内交通安全対策工事=24年10月1日~6月20日
▽R6国分寺管内照明設備改修その1工事=4月1日~12月26日
▽R6国分寺管内照明設備改修その2工事=6月1日~12月26日。