先端建設技術センター/タイで4回目技術セミナー開く、3分野で13者がアピール

2025年7月31日 行政・団体 [1面]

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 【バンコク=溝口和幸】先端建設技術センター(ACTEC、五道仁実理事長)は30日、タイの首都バンコクで技術セミナーを始めた。地盤改良、洪水・排水対策、維持管理の三つの分野で日本のインフラ管理者や建設会社、建設コンサルタント、メーカーの13者が汎用(はんよう)性の高い技術や新技術、取り組みを発表する。タイ政府、バンコク都、現地企業などの関係者が多く訪れる。初日は大鷹正人駐タイ日本国大使が各者のパネルブースを回り、開会式であいさつした。
 セミナーはコロナ禍の影響もあって7年ぶり4回目の開催。31日まで在タイ日本大使館で行う。現地のユーザーに日本の建設技術、ソリューションを紹介し、情報交換と交流を促すのが狙い。国土交通省、国際協力機構(JICA)タイ事務所、日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所、バンコク日本人商工会議所が後援する。
 冒頭、五道理事長はこれまでの両国関係者の尽力に謝意を示した。その上で「厳しい日本の国土を支えている建設技術が、日本以上に厳しい一面もあるタイのお役に立てるのではないかと考え、セミナーを行ってきた。双方に有意義、有益なものになるよう願う」とあいさつした。
 大鷹大使は各者のブースで説明を受けた内容を紹介し「(地盤の問題や都市インフラの整備など)タイと日本は共通事項がたくさんある。日本の技術は相当活用できると考えている。ぜひ検討していただきたい」と求めた。
 初日は、王立かんがい局、運輸省道路局の幹部などが参加した。国交省の森下博之総合政策局公共事業企画調整課長が基調講演を行い、インフラのメンテナンスを巡る日本の取り組みや同省の政策について話した。展示ブースを訪れた大鷹大使は、無線遠隔操縦式の水陸両用ブルドーザーの性能や工法、コンクリート構造物のひび割れ自動検出・定量評価システムなどの説明を受けた。
 技術などを発表する13者は次の通り。
 ▽本州四国連絡高速道路会社▽首都高速道路技術センター▽長大▽太洋塗料▽大成建設▽エイト日本技術開発▽秩父ケミカル▽日之出水道機器▽青木あすなろ建設▽日本工営▽三信建設工業▽エコ・プロジェクト▽芦森工業、トクヤマエムテック。