住友不動産など7者は30日、断熱化リフォームの普及促進を目指すタスクフォースを立ち上げた。同社のほかYKKAPやLIXILといった建材・設備メーカー、業界団体などが参加。消費者向けの情報発信や営業力の強化、技術力の強化をともに推し進める。今後は8月にホームページ(HP)を立ち上げ、10月以降にイベントなどを通じた情報発信を始める予定。業界内での理解醸成を通じ、タスクフォースのメンバーも増やしていきたい考えだ。
同日東京都内で記者会見して発表した。タスクフォースは住友不が代表企業を務め、▽住友不動産ハウジング▽三協立山▽LIXIL▽YKKAP▽JBN・全国工務店協会▽住宅開口部グリーン化推進協議会(AGW)-の6者も加わる。
会見で住友不の岡田時之常務執行役員は、2050年のカーボンニュートラル(CN)達成に向けた家庭部門の二酸化炭素(CO2)排出削減が急務だと強調。その上で「断熱性能を高めれば、快適な暮らしや光熱費削減につながり、環境負荷の低減も実現できる。断熱・省エネリフォームの普及が必要だ」と設立の狙いを説明した。
出席した環境省の杉井威夫地球環境局地球温暖化対策課長は「環境省としても精いっぱい応援し、快適性や断熱性向上の取り組みが進むよう期待している」と話した。
タスクフォースには▽消費者向け認知拡大▽営業力強化▽技術力強化-の三つの分科会を設ける。認知拡大分科会は体験型イベントや、新聞などメディアを使った広報活動を展開。断熱・省エネリフォームの意義を消費者に訴える。
営業力強化分科会は営業担当者のスキル向上を目指す。研修会を開き、補助制度などの情報を担当者に周知。契約獲得に弾みを付ける。技術力強化分科会は工務店向けの研修会を開催。施工品質の向上や人材育成を後押しする。
国内に住宅ストックは約5400万戸ある。うち断熱性能が、建築物省エネ法で定める省エネ基準(断熱等級4)以上を満たしているのは約18%にとどまる。家庭部門のCO2排出量は国内全体の約7分の1を占める。家庭部門で出るCO2の約4分の1が、冷暖房に伴って排出されている。