国交省・沓掛敏夫道路局長/道路網の戦略的な価値引き出す、早期啓開体制構築へ

2025年8月1日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省の道路局長に7月1日付で就任した沓掛敏夫氏が、日刊建設工業新聞など建設専門紙の取材に応じ=写真、「道路ネットワークの持つ多様な戦略的価値を引き出す」と今後の方針を語った。環境や渋滞対策、ネットワーク構築などの分野が対象の「WISENET(ワイズネット)2050・政策集」(2023年策定)の内容を具体化し施策を展開する。強靱化対策では「危機管理が道路局長として一丁目一番地の仕事」とし、老朽化対策も含め積極的に取り組む考えだ。
 道路網整備では能登半島地震の教訓を踏まえ「ネットワークとしてつながっていることが重要」とし、ミッシングリンクの解消や災害時の早期啓開体制の構築に意欲を見せた。物流面でも「時代にあった道路網が必要」と指摘。日本海側の物流路の比重が高まる中、「列島を縦貫するだけでなく、横断するルートの重要性が増している」と述べ、「世界の物流や経済の動きに合わせてネットワークの形を変えていくことが重要だ」と語った。
 道路局が施策の柱の一つに位置付ける「自動物流道路」を巡っては、「宅配便を見ると年に1億個くらい荷物が増え続けている。物流を今までとは違う形で成立させるために自動物流道路は欠かせない」との認識を示した。官民で連携し検討を加速させ、30年代半ばの実現を目指す。
 i-Construction2・0やインフラDXも重要課題に挙げた。「新たな取り組みに積極的にチャレンジし、仕事のやり方も含め令和の時代に合わせて発展させていきたい」と意欲を示した。道路施設の老朽化対策についても「第1次国土強靱化実施中期計画」に盛り込まれた施策を含め「引き続きしっかり取り組んでいきたい」と述べた。