国交省・小林賢太郎官房技術審議官/建設業全体の環境改善へ

2025年8月4日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省の小林賢太郎官房技術審議官が日刊建設工業新聞など専門紙各社の取材に応じた。建設業の働き方改革に向けた週休2日の確保や施工時期の平準化など「市町村まで浸透しないと意味がない。国が先導的な役割を果たすことを意識し、建設業全体の環境を変えていく」と抱負を語った。地方自治体も含めて発注行政で課題となる取り組みを直視し「だからこそ新しい入札制度や技術開発・活用の余地がある。そこにチャレンジしていきたい」と意気込んだ。
 直轄工事の週休2日は定着してきたと認識するが「より多様な在り方もできるようにする」。特に夏場の屋外工事などでは「地方の建設会社から、現場の社員や作業員が心配との声を聞いている」。夏場にまとまって休工とし工期全体で週休2日を確保したり、個人ごとに多様な働き方を許容したりするなど、休み方のバリエーションを増やす方向で検討していく考えを示した。
 インフラ分野のDXに関しては、昨年公表のi-Construction2・0に基づき生産性向上に加え、省人化の取り組みを強力に推進する。直轄工事で総合評価方式の新タイプ「技術提案評価型SI型(エスイチ型)」の試行を始め、自動化などの最新技術を広めるだけでなく、コストを伴う意欲的な提案も取り込んでいく。「DXには若い人を引き付ける要素もある。担い手確保のツールとしても展開したい」と述べた。
 東北地方の自治体に出向した際、近隣の建設会社も応援して大雪対応に当たる姿を見て「建設業の心意気を強く感じた」と振り返った。「建設業は平時にインフラ整備・管理の担い手となり、災害時には地域の安全・安心を守る。この理解が進むようにしたい」と話した。