建設業の担い手不足が常態化して久しい。国を挙げた働き方改革も軌道に乗り、週休2日制や時間外労働の上限規制など労働環境を改善する動きは本格化しつつある。しかし、少子化傾向に歯止めはかからず、抜本的な解決策を見いだすには至っていない。若年入職者を確保するための取り組みが進む中、女性の建設業進出にも注目が集まっている。建築士や重機オペレーターなどに従事する女性が増える一方、トイレや更衣室など配慮に欠ける作業環境が女性進出を妨げる大きな障壁として浮上している。国交省は現場での快適トイレ導入などを働き掛けているが、神奈川県や県内自治体の発注工事では神奈川県建設業協会(渡邉一郎会長)らが求めるような、シャワートイレを標準装備できる段階には、まだまだ至っていない。地元建設企業は県内の大学、専門学校、工業高校の就職担当者らと情報を共有し、学生が就職先に求める条件などを探っている。近年の学生は必ずしも大手企業を志向しているわけではなく、転勤がなく、しっかりと休日が取得でき、プライベートな時間を最優先できる生活を求める傾向にあることが分かってきた。休日の取得や清潔で安全な現場環境の実現など、若者の心をつかむための県内自治体や地域建設企業の取り組みに期待が高まっている。