関東地方整備局宇都宮国道事務所は、猛暑対策工事を受注する工事会社や建設コンサルタントからの聞き取り調査の結果をまとめた。7、8月を休工する取り組みに対し、各社からは「県や基礎自治体が足並みをそろえて実施」するよう訴える意見が目立った。ただ労働時間の削減に伴い、所得の減額を懸念する日給月給の作業員もおり、こうした意見にも丁寧に対応していく必要がありそうだ。
同事務所では夏の暑い期間を準備に充てたり、前倒しで工事を完了したりして猛暑日を避ける働き方を進めている。受発注者が協議すれば、工程の組み替えや状況に応じて工期延伸も認めている。2025年度は特記仕様書に記載した契約済みの11件のうち6件を試行している。
取り組みのブラッシュアップを目的に、同事務所は業界の意見を聞く懇談会を7月24日に開催。7、8月に現場を休工することに「大賛成だ」と答える作業員や「特記仕様書などに盛り込むことで実用的な対策になる」など好意的な意見が目立った。一方、所得の減収を懸念する作業員からは「積算単価を倍にして賃金補償できる工夫」を求める声も挙がった。
温暖化の影響が激しくなる中、コンサル会社の社員は「猛暑を避けるとその後に工事や点検が集中する。人員確保が課題だ」と指摘。別の社は「ロボット施工を目指さないといけない」とDX化の加速を訴えた。