横浜市は5日、「旧横浜市庁舎行政棟」を戦後建造物で初となる市の歴史的建造物に認定したと発表した。村野藤吾が設計したモダニズム建築の庁舎を竹中工務店らが再生し、星野リゾートがレガシーホテルとして運営する。ホテルは2026年春の開業予定。
旧行政棟の所在地は中区港町1の1の1ほか。横浜港開港100周年記念事業として1954年9月に竣工した。当初設計は村野・森建築事務所。当初施工は戸田組(現戸田建設)。RC造地下1階地上8階建て塔屋2階延べ約3万平方メートル。意匠性に優れ、横浜の戦後建造物として高い評価を受けている。
ホテルは竹中工務店と東急、京浜急行電鉄の3者が所有し、星野リゾートが運営する。4者は市と共に建物の「記憶」を継承し、「新旧融合」をコンセプトに新たな息吹を吹き込む。ホテル名称は「OMO7横浜by星野リゾート」。改修基本・実施設計、改修施工を竹中工務店が担当した。
凹凸のある変化に富んだ外観や内装の壁面タイルなどが特徴。再開発が進み景観が大きく変化する関内駅周辺地区で、長きにわたり地域のシンボルとして愛された旧庁舎を保全活用することで、新たなランドマークとして生まれ変わった。
横浜市庁舎移転に伴う「横浜市旧市庁舎街区活用事業」の一環。事業者は三井不不動産らで構成するコンソーシアム「KANNAI8」。構成員は▽鹿島▽京急電鉄▽第一生命保険▽竹中工務店▽ディー・エヌ・エー▽東急▽星野リゾート-の7社。
街区名称は「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」で、旧庁舎をホテルとして保存・活用するほか、アリーナやエンターテインメント施設、オフィスなどを新設し、新旧融合の多用途拠点へと仕上げる計画。施設は総延べ12・8万平方メートルの規模。設計・施工は鹿島と竹中工務店が手掛けており、新施設は12月の竣工、26年春の開業を目指す。