大阪府、市/夢洲アクセス鉄道、桜島・中之島延伸案に優位性/事業費は3510億円

2025年8月7日 行政・団体 [12面]

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 大阪府と大阪市は6日、IR(統合型リゾート)の整備が計画される人工島・夢洲への新たなアクセス鉄道について、JR西日本と京阪電気鉄道の既存路線を延伸する2ルートを優位とする検討結果を公表した。鉄道事業者、有識者らとの検討会で比較検討し、コスト面や接続性で優れると評価。総事業費は計約3510億円を見込む。今後は関係機関による建設計画や運行計画の検討の深まりが期待される。
 検討会では1989年の運輸政策審議会答申第10号に盛り込まれた北港テクノポート線(コスモスクエア~夢洲~舞洲~此花方面)と、2004年の近畿地方交通審議会答申第8号に位置付けられた中之島新線延伸(中之島~西九条~千鳥橋~新桜島)に加え、鉄道事業者が独自に検討しているJR桜島線延伸(桜島~舞洲~夢洲)、京阪中之島線延伸(中之島~九条)の計4案を比較した=図参照。
 このうち既存路線との接続性が高く、新規整備区間が比較的短いJR桜島線と京阪中之島線の延伸案を高く評価。概算事業費や費用便益、収支、アクセス性の向上、大阪臨海部へのアクセス圏拡大などを総合的に検討した結果、優位性があると判断した。総事業費の内訳はJR桜島線延伸が約2850億円、京阪中之島線延伸が約660億円。
 夢洲では大阪・関西万博の閉幕後、IRの開業や万博跡地の開発(2~3期)が予定されており、今後の集客やまちづくりの進展を見据え、交通アクセスの拡充が重要な課題となっている。