政府は7日、「南海トラフ地震臨時情報防災対応ガイドライン」を公表した。気象庁が「南海トラフ地震臨時情報」を発表した時、各主体が取るべき措置を整理した。公共工事では、あらかじめ施工計画書などに発表時の対応を盛り込むよう求めた。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表された場合、危険な場所の工事は直ちに中止し退避することを定めた。
公共工事の対応を巡っては、3月に国土交通省が直轄工事向けに対応をまとめた事務連絡を各地方整備局に送付している。今回のガイドラインでは事務連絡に準じた対応を、他省庁や自治体でも取るよう求めた。
事務連絡では、国が指定する「南海トラフ地震防災対策推進地域」内の工事で、施工計画書や業務計画書に臨時情報が発表された場合の対応をあらかじめ記載するよう要請。後発地震の揺れや津波の影響を受ける作業を抽出し、臨時情報の巨大地震警戒、巨大地震注意それぞれへの対応策を盛り込む。
対応策には▽作業の一時中止▽必要な安全対策を講じた上で工事継続▽津波避難を含めた作業員等の安全確保措置-を挙げた。
臨時情報の発表時は、工事場所の危険性によって3段階で対応。巨大地震警戒の場合、工事場所が「住民事前避難対象地域」内であれば、発注者から工事の一時中止の通知があったものと見なし、直ちに工事を中止し退避する。対象地域外では発表後に工事をいったん止め、受発注者が協議し工事の一時中止か継続かを判断する。巨大地震注意の場合は工事はそのまま続け、工事の中断か継続かを受発注者で協議して決める。
このほかガイドラインには、鉄道について「原則、運行規制はしない」と記載。臨時情報発表後は、速やかに内閣府と気象庁の合同記者会見を開くなど、情報発信の強化も盛り込んだ。海抜ゼロメートル地帯では、地震による堤防破損で浸水の恐れがあるため「事前避難対象地域」の指定を検討すべきとも明記した。
南海トラフ地震臨時情報は「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査中」などキーワードを付けて発表する。