総務省は、地方自治体が受け付ける物品・役務の入札参加資格審査申請について、書類の押印や、手続きに必要な項目などの見直しを都道府県の担当者に要請した。物品・役務や建設工事の入札参加資格審査申請の共通化・デジタル化を進めていく上での環境整備の一環。地域の実情に応じて設定されている独自の項目の見直し、都道府県単位や複数の自治体で行う取り組みについての対応も求めた。
同省は「地方公共団体の調達関連手続の共通化・デジタル化に係る実務検討会」が3月にまとめた報告を受け、物品・役務の入札参加資格審査申請に全国単位の共通システムを導入する方向で準備に入った。導入時期は明らかにしていない。建設工事の申請手続きは、共通化・デジタル化の詳細を検討している。
申請手続きの共通化・デジタル化は、事業者と自治体双方の事務負担が減るため、共通システムの導入や建設工事を巡る検討を推進する考え。そこで物品・役務に関しては、印鑑届や印鑑証明書を申請手続きの必要書類としている自治体が複数ありながらも、見積書の押印を見直す動きがあり、さらに民間の電子契約サービスの利用も見込めるため、押印を含めた業務の運用の見直しを要請した。
検討会の報告は、共通化・デジタル化を進めつつも、申請手続きでは▽共通申請項目(事業者の特定情報)▽選択申請項目(適正性審査、格付け情報など)▽独自申請項目-を設けられることになっている。このうち独自申請項目は、経験や技術的特性についての資格など、地域の実情を踏まえて独自の項目を既に設けている自治体があるため、設定できることになった。ただ独自の項目が多くなった場合、事務処理の効率と利便性が低下するだけに、同省は申請項目の必要性を検討し、独自申請項目を最小限にとどめることも要請した。
申請手続きの共通化・デジタル化を既に検討している都道府県と複数の市区町村などに対しては、共通申請項目などを参考に必要な項目や、申請の受付期間、資格の有効期間を設定するよう要請。既存システムの更新時に必要な取り組みを行うことも盛り込んだ。
要請は7日付で都道府県の契約担当部長、DX担当部長などに通知した。