東京都あきる野市/秋川高跡活用を検討/事業所誘致で雇用創出

2025年8月25日 行政・団体 [4面]

文字サイズ

 東京都あきる野市は、2001年に閉校した都立秋川高校の跡地活用を検討する。跡地一帯は高速道路や鉄道駅に近接しているが、市街化調整区域で都市基盤が整っていない。道路と併せて事業所の誘致、住宅・公園などを整備し良好な市街地の形成を目指す。中嶋博幸市長は22日の定例会見で、「これだけ広大で交通条件の良い土地は首都圏には少ない。雇用を創出し市の発展につなげたい」などと説明した。
 対象地は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の日の出ICに近接する。JR五日市線秋川駅、武蔵引田駅からも1キロ圏内。現在は秋川高校跡地、都立あきる野学園、市立西中学校、住宅や農地が混在している。
 約29万平方メートルのうち、先行して約10万平方メートルの公有地を開発する計画。7月に公開したゾーン別整備方針では産業、教育など四つの目的別機能誘導を図るとし、まずは産業ゾーンの形成に着手する。
 秋川高跡地を巡っては、歴代市長が活用を模索していたが、施設整備などには至っていない。跡地一帯の開発は中嶋市長の選挙公約で目玉施策になっていた。「一日でも早く誘致を進めたい。周辺環境にも調和した企業に来てほしい」としており、関連事業を推し進める方針だ。
 今後は土地区画整理事業による一体的なまちづくりを目指す。事業ステップとして1年目に基本計画を策定する。2年目の地権者合意などを経て、5年目に都市計画決定を目指す。市は「秋川高校跡地及び周辺地区まちづくり方針案」をホームページで公表し、意見を募集している。9月4日まで郵送やメールなどで受け付ける。