竹中工務店/25年1~6月期決算・増収増益、低採算工事減り利益は着実に改善

2025年9月1日 企業・経営 [1面]

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 竹中工務店の2025年1~6月期の連結決算は増収増益となった。売上高は前年同期比0・1%増の7723億6百万円。建設資材や労務費の上昇分の価格転嫁に対する発注者の理解が進み、低採算工事も減少した結果、利益が大幅に改善。営業利益は528億90百万円(前年同期比60・8%増)、経常利益が601億39百万円(37・9%増)、純利益が484億57百万円(58・9%増)となった。
 単体の完成工事総利益(粗利益)率は4・7ポイント上昇し12・8%と2桁に回復。「工事損失引当金の計上が減少した。低採算工事も採算確保に取り組み改善している」(森田章裕財務室長)。
 業績の先行指標になる単体受注高(建設事業)は74・5%増の8367億74百万円。大型案件を複数受注した。地域別では近畿圏と関東圏がけん引。建物種別ではホテルや店舗・百貨店などの受注が大幅増となった。
 25年12月期の通期業績見通しは減収減益。連結で売上高1兆5866億円(前年比0・8%減)、営業利益470億円(11・5%減)、経常利益585億円(17・5%減)、純利益600億円(6・8%増)を見込む。単体受注高(建設事業)は1兆7500億円(74・7%増)、単体の粗利益率は7・7%(0・1ポイント上昇)を予想する。
 同社は物価高騰や労務費上昇が継続し、予断を許さない状況が続くと分析。その上で今後の受注環境を「建設投資は全体的に落ち着いてくるが、大型案件は多い。底堅く推移するだろう」(岡田恒明経営企画室長)とし、難度の高い複合施設やデータセンターなどを軸に受注活動を展開する方針だ。