ロッテHD/国内のホテル事業拡大/34年までに20軒

2025年9月3日 企業・経営 [4面]

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 ロッテホールディングス(HD)は国内でのホテル事業を拡大する。韓国のホテルロッテ(ジョン・ホソク最高経営責任者〈CEO〉)と共同出資し、ホテルの運営・開発を担う新会社を設立。東京や大阪、沖縄など大都市や観光都市に2034年までに20軒、4500室を展開する。自社不動産の活用検討や他のホテルのリブランドを推進。投資総額は今後固める。
 2日にロッテHDが発表した。新会社はロッテホテルズジャパン(東京都新宿区、福井朋也社長)で、2月に設立した。資本金は2・5億円で社員2人を採用している。同社は既存のロッテシティホテル錦糸町(東京都墨田区)とロッテアライリゾート(新潟県妙高市)を直営している。34年までに展開する20ホテルにはこの2件も含める。
 新規出店エリアは東京や大阪、沖縄がメインで、直営方式による旗艦ホテルとする。2日に都内で開いた会見で福井社長は「都市部や政令指定都市、国際空港がある都市、就業人口が多いところを狙いたい」と、他のエリアでの出店も加速する考えを示した。札幌や仙台、石川、富山、名古屋、福岡などを視野に入れている。
 出店では直営方式以外に賃貸借方式、運営受託方式をベースにする。約200拠点あるロッテグループの不動産も活用を検討。既存ホテルのロッテブランドへの転換にも対応する。会見に出席したロッテHDの玉塚元一社長兼CEOは自社不動産の活用に関して「すでに研究所や営業所が立っているところではなく、活用度の低い不動産を活性化させる」との方針を明らかにした。
 玉塚氏はホテルの出店強化について「インバウンドの4分の1が韓国からの来訪者だ。ホテルロッテは韓国でナンバーワン、日本人にも評価をいただいている。シナジー(相乗効果)を効かせながら、ホテル事業に取り組みたい」と展望した。