東北大学災害科学国際研究所は、カムチャツカ半島付近で発生した地震に関する報告会をオンラインで4日に開いた。約150人が視聴。津波の発生メカニズムを報告した越村俊一教授は「異なる三つの経路をたどって到着時間に差が出たため、津波が長期的に押し寄せた」と解説=写真。伝播ルートが太平洋側で予想される南海トラフ地震などと共通しており「同じく長期化などに注意が必要だ」と指摘した。
日本時間7月30日に発生したカムチャツカ半島(ロシア)地震では、マグニチュード(M)8・8を観測した。震源から約1500キロ離れた日本でも津波警報が発令され、岩手県久慈市などに最大1・4メートルの波が襲来。カキの養殖施設などが被害を受けた。
地震の原因を分析した福島洋准教授は「震源に近い海域では73年前にもM8以上の地震が起きており統計上、同じ箇所では数百年程度の発生周期とされていたため特異なケースだ。今後の巨大地震の発生評価で重要な事例になる」と説明。M7の前震を計測後、1週間以内の本震だったため「地震の発生確率が高まっていることを伝える『臨時情報』などの発表基準を考える上でも参考になる」と述べた。