建設業福祉共済団(茂木繁理事長)の調べによると、2024年度の建設共済保険の保険金支払いで、クマによる労災事故により保険金を支払った事例があることが分かった。
福祉共済団によると、50代の男性が見積書作成のため山間にある工事予定地に1人で調査に入り、社有車を離れ徒歩で300メートル移動したところでクマに襲われ死亡したという。福祉共済団は「昨今多発しているクマ被害で一層の安全対策が求められる」と話している。
過去にも建設現場でクマの被害は確認されており、20年10月には福井県敦賀市の北陸新幹線の工事現場で工事関係者が襲われた。インフラ整備や林道工事など森林に近接する現場での危険性も低くない。あるゼネコン社員は「現場でひっかき傷や足跡を確認したがまだ遭遇はしていない」と話す。ただ「現場での対策のしようがない。個人で鈴やスプレーを持参するしかない」と心境を吐露。山間部での建設工事にも安全衛生上の新たなリスクとして認識が広がりそうだ。










