土木学会/日比野克彦氏が特別講演/「アートと土木」テーマに

2025年9月12日 行政・団体 [11面]

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 熊本市内で開かれている土木学会(池内幸司会長)の2025年度全国大会で10日、日比野克彦東京芸術大学学長が「アートと土木」をテーマに特別講演を行った=写真。近年のアートを巡る傾向について地域の芸術祭の場で土地の文化や地形を生かした作品を現地に屋外展示する事例が増えていると紹介。「地形を生かす点が土木と共通する点」との考えを示し、地域コミュニティーの形成にもつながると話した。
 日比野氏は「従来型の美術館での展示は建築的で、地域芸術祭は土木的」とし、屋外型のアートは土地や地域が持つ魅力を地域コミュニティーに再認識させるために「重要なライフラインとして機能するのではないか」と指摘。地形を軸とした土木構造物は屋外型のアートと共通し、地域コミュニティーの形成、抱える課題の解決にも貢献しているとの見方を示した。