建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、建設業退職金共済(建退共)の電子申請方式の新システムが10月に供用開始するのに合わせ、CCUSの就業履歴データをそのまま建退共の新システムに送る「自動連携」の機能を開発した。元請や1次下請による「一括作業方式」のデータ連携方法の一つに追加する。これまで手動で行われていたデータ連携の手間がすべて省かれ、現場の事務負担の軽減につながる。
CCUS画面上で12日から、自動連携機能を利用するかどうかを現場ごとに選択可能にする。一括作業方式はCCUSのデータを用いて作成した就労実績を基に、建退共の掛け金納付を可能にする仕組み。これまでは「手動連携」に選択肢が限られ、CCUSから就業履歴データをダウンロードし、建退共の就労実績報告作成ツールに取り込むという一連の作業で手間が生じていた。
自動連携を選択すれば、CCUSに登録した現場・契約情報や施工体制情報、就業履歴情報などのデータを、1カ月単位で建退共の新しい電子申請専用サイトに自動で送る。現行の就労実績報告作成ツールを利用する必要はなくなる。元請や1次下請の作業は、毎月のエラーチェックや承認だけで済む。
自動連携では毎月10日に前月分のデータを反映させる仕組みとする。現時点で自動連携を選択した場合、建退共の新システムの供用開始後の10月10日に9月分のデータを連携するのが初回となる。
振興基金はデータ連携を確実に行うため、CCUSの技能者情報として建退共の「被共済者番号」を登録するよう呼びかける。同番号が正確に登録されていないと、データ連携の際エラーになる。振興基金によると、CCUS登録技能者は直近で170万人を超えたが、うち同番号を登録しているのは約40万人にとどまる。自動連携機能の提供を契機として未登録者の解消につなげ、データ連携のメリットを広く享受してもらいたい考えだ。