東京都は11日夕方からの局地的な豪雨によって、都内の複数箇所で浸水被害が発生した。小池百合子知事は12日の定例記者会見で「被害があった地域は、過去にも繰り返し被害が発生している。短期的、長期的な視点で早急に検討し対策をまとめるよう、関係部局に指示した」と明らかにした=写真(ユーチューブから)。
小池知事は会見で「調節池整備など対策を着々と進めているが、想定を超えるような降雨への対策を引き続き進めることが必要だ」と指摘した。都は調整池の整備など中小河川の治水対策を実施しているが、気候変動によるゲリラ豪雨は発生頻度が増し、被害の規模も大きくなっている。小池知事は「さまざまな工夫で首都防衛にまい進したい」と改めて表明。今後も調節池の整備などに力を注ぎ、都民の安全・安心確保につなげる。
11日の局地的な豪雨では、東京都世田谷区などで1時間当たりの降雨量が過去最大を観測した。内水や中小河川の氾濫、アンダーパスの冠水が多発。世田谷区では矢沢川、品川区内では立会川で水があふれ、周辺の市街地で床上・床下浸水が相次いだ。
矢沢川では、都が分水路を整備している。向大橋から丸子川合流点(いずれも世田谷区)までの約3・2キロ区間にシールド工法でバイパスの役割を果たす地下河川(内径5・5メートル)を築造。安藤ハザマ・東鉄工業・京急建設JVの施工で、2026年度の完成を目指している。