東京都はカーボンニュートラルポート(CNP)の一環として、港湾工事での二酸化炭素(CO2)排出削減に取り組む。低炭素型コンクリートやバイオ燃料、施工機械の電動化などを想定し、課題や費用、施工性を検討する。国土交通省や他自治体の事例を参考に仕様案や試行要領をまとめ、発注者指定型での工事発注も視野に入れ、2026年度にも方針案を策定する。
都港湾局が検討するのは、コンクリート・石材の低炭素化、建設機械のバイオ燃料利用、施工機械の電動化など。資機材は調達可能量や調達先、設計・施工・維持管理での留意点、費用や工期、削減効果を整理し、試設計や標準断面を踏まえて仕様案を策定する。
コンクリートは高炉セメントC種、CO2吸収型、CO2固定型の3種類を対象とし、現場打設だけでなくプレキャスト(PCa)製品も考慮する。石材では鉄鋼スラグの活用を検討。さらに地盤改良材、鋼材、アスファルト舗装、塗料など港湾工事で用いる資材も整理し、一覧表を作成する予定だ。
建機分野では、廃食油由来のFAME(脂肪酸メチルエステル)を活用したバイオ燃料や電動建機の導入を検討。調達量やコスト、運搬・保管方法、法令、燃費などを整理し、試行工事の要領案を作成する。併せて事業者向けの支援策も検討する。