国交省/特殊建築材料の導入後押し、大臣認定制度改善・条件付きで使いやすく

2025年9月24日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は、現行法令で使用を想定していない新しい建築材料の導入ハードルを下げ、民間の意欲的な試みを後押しする。建築基準法で定める特殊な構造方法・材料の大臣認定「第38条認定」の運用を改善。事後的なモニタリングで長期的な変状を確認したり、使用部位を小梁や垂木など一部に限定したりするなど、条件付きで認定可能とする具体例を提示した。詳細な評価に基づき建築物単位で構造安全性を確かめる「第20条認定」を受けずとも、新材料を機動的に導入できる制度として周知する。
 第38条認定は、かつてあった同様の制度を2014年の法改正で復活させる形で創設。ただし以降の認定実績は1件にとどまり、ほぼ活用されてこなかった。新材料を用いた建築物はすべて第20条認定で対応していたのが実態だ。
 8月からの新たな制度運用では、認定可能なケースを具体的に例示し、制度活用の呼び水とする。部分的な使用を条件に新材料の強度や剛性を認定するケースや、耐久性などの確認に時間がかかる場合にモニタリング措置を条件に認定するケースなどを示した。
 建築基準法の指定建築材料に該当しない「竹」や「紙」などの部材単位で認定を取得する道が広がり、構造部材として幅広く使用できるようになる。ジオポリマーなどによる環境配慮型コンクリートの導入や、3Dプリンターでモルタルの構造部材を造形する場合も念頭に置く。
 ソフト的な対応を条件とした認定も許容する。風が強かったり、雪が積もったりした場合は使用不可にするなど、前提となる維持管理方法を明確に定めることを認定条件とした。
 これまで国交省が直営ですべて行っていた認定手続きも見直した。国交省指定の第三者機関で技術的な評価を行い、その結果を参考図書として添付し申請する方法を追加。認定ルートを増やし、円滑な審査につなげる。新たな方法では国交省の審査プロセスが省略されるため、手数料を従来の212万円から17万3500円に引き下げた。