自民党の見坂茂範参院議員が24日に全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が都内で開いた協議員会に出席し、「夏場の猛暑下での建設工事への対応」など3項目で、国土交通省に対処を求めたと明らかにした。記録的な猛暑に見舞われながらも、日中の屋外作業を余儀なくされる建設業界の現状を問題視。「今までの働き方ではいけない。抜本的に変えるべきだ」と強く訴えた。
見坂氏は猛暑での対応以外に、「小規模工事の歩掛かりの見直し」と「国土強靱化実施中期計画に伴う事業量の確保」も国交省に要望した。建設現場での熱中症対策も踏まえ、見坂氏は「従来通りの8時間労働は不可能で、実際には5~6時間しか働けていない」との認識を示した。働き方改革の実現には「短縮労働時間に伴う工期の延長や歩掛かりの見直し、さらに熱中症対策費用の適正な積算反映が不可欠だ」と指摘。「小手先でなくパッケージとして来夏に向けて発信し、現場実証を経て数年内に大幅な働き方改革を実現したい」と表明した。
見坂氏は月単位の週休2日についても言及。季節や地域特性を踏まえ、夏場は週休3~4日も許容する一方、気候が良い時期や春や秋などに労働日を増やすなど、柔軟な運用を提案した。
小規模工事の歩掛かり改定では、中小建設会社の多くが小規模工事を主な収益源としている。だが、「現行の標準歩掛かりと実態が乖離(かいり)し、利益が確保できない」と問題提起。全項目を抜本的に見直すには時間がかかることから、標準歩掛かりに一定の補正係数をかけるなどの簡易方式を導入し、「工事規模の大小にかかわらず、利益が得られる建設業にしたい」と訴えた。
さらに、国土強靱化計画の初年度予算確保にも触れた。相次ぐ自然災害を踏まえ「大規模河川は耐えたものの中小河川が氾濫した」ことを重視。国土強靱化予算を前倒しで投じることで効果的な治水対策ができ、「浚渫工事など即効性のある対策を進めれば安全度が高まる」とした。