国交省/AI活用で簡易に技術比較/NETIS機能を順次拡充

2025年10月2日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は公共工事の新技術情報提供システム(NETIS)の利便性を高めるため、AIを積極的に活用する。NETISでニーズに該当する技術を一つ選んだ後、類似した技術をAIで抽出し、自動的に比較表を作成する機能を実装した。工事・設計の受注者が技術の選定や比較検討に要する手間を省く。今後もAIを用いた詳細な検索機能や、チャット機能を付与する方向で検討。従来のデータベース機能にとどまらず、マッチング機能を持つ技術活用のプラットホームへと進化させる。
 AIを活用した技術比較表作成機能を1日に稼働した。NETISに掲載されている技術情報のうち、開発者の申請に基づく「申請情報」をベースとした仕組み。技術情報のテキストデータの意味をAIで数値化し、類似度の高い技術を抽出する。掲載中の約3800件の技術から自動的に10件をピックアップし、簡易に比較表を作成できる。
 国交省直轄工事などではNETISの掲載技術の活用で工事成績評定が加点され、設計業務でも比較検討が求められている。既に公表されているテーマ設定型技術カタログ以外の技術の比較検討には、ある程度の技術的知見が必要で、手間もかかっている。この作業が簡単になれば受注者だけでなく、工事発注時の技術選定に当たる地方自治体などの発注者や、NETIS申請時に類似技術を確認する開発者の役にも立つ。
 NETIS掲載技術は年間で2万件超の活用実績があるが、個々の技術で活用の多い・少ないにはバラツキがある。国交省は新機能を通じ、これまで活用されてこなかった有用な技術の掘り起こしも期待する。
 国交省は新機能をAI活用の皮切りとなる取り組みと位置付け、間を置かずに機能をさらに充実させていきたい考えだ。検索機能は現状でもキーワードを打ち込めば可能だが、よりニーズに合った技術を複雑なキーワードを基にAIで分析し選び出せるような機能を実装する方向だ。