国土交通省は道路分野でカーボンニュートラル(CN)を拡大する。2040年度までに道路全体の二酸化炭素(CO2)排出量を73%削減するため、道路の整備・維持・利用、各段階で脱酸素を一段と促す。官民一体で推進する新たな枠組みとして、1日に「道路脱炭素化基本方針」を公表した。道路管理者に「道路脱炭素化推進計画」の策定を促す。国交省は推進計画策定のマニュアルと新しい政策集も公表した。
同日施行した改正道路法に伴う対応で、道路管理者は基本方針に基づいた推進計画を策定し、地域の脱炭素を進める。政府が50年度のCNを目指し、さまざまな分野で取り組みを推進している。道路は国内CO2排出量の約18%占める。道路のライフサイクル全体で低炭素や再生可能エネルギーの活用、移動手段の転換を促すことで、CO2排出量の削減を目指す。
国交省は道路関連の削減目標を30年度までに46%、35年度までに60%、40年度までに73%と定めた。道路管理者は推進計画を策定し、国交相に報告する。基本方針は定期的なフォローアップと公表が望ましいとしている。高速道路会社には国と同様の対応を求め、地方自治体などはできる限り早い対処を求めている。
基本方針によると、30年度を目標に国が管理する道路は照明のLED転換と道路関係車両の電気自動車(EV)移行を完全実施する。再エネの活用率は60%に設定した。
低炭素アスファルトや走行中給電など新技術の活用も促進する。政府が先導する現地実証などをベースに技術基準を策定。サーキュラーエコノミー(循環経済)として、再生アスファルトなどリサイクル資材の利用を促す。
推進計画には脱炭素の具体的な施策などを盛り込む。管理、整備、利用の各分野で、低炭素材料の開発・導入促進や低炭素建設機械の活用を強力に推し進める考えだ。