国土交通省は、直轄営繕事業の設計業務で作成するBIMデータの入力情報や設定内容の目安として公開している「営繕BIMモデル」のバリエーションを拡充した。これまではオートデスクの「Revit」で作成したモデルしか用意していなかったが、BIMソフトの国内市場でのシェアを考慮し、新たにグラフィソフトの「Archicad」を使用したモデルを作成、公開した。
官房官庁営繕部のウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk6_000130.html)に掲載している。RC造5階建て延べ床面積約3300平方メートルの一般的な合同庁舎を想定し作成。設計業務の発注段階に提示するBIM成果品の要求事項「EIR(発注者情報要件)」に対応したBIMデータの例として示す。
Archicadで作成したのは「総合」分野のBIMデータ。Revitでは総合に加えて「構造」「設備」の各分野でデータを用意している。モデルを作成した際のBIMデータの作業環境などの設定内容をテンプレートとして保存した「営繕BIMテンプレート」も併せて公開している。
特に、BIMデータの作成に慣れていない地場の設計事務所などにデータ作成の参考にしてもらう狙いがある。直轄営繕事業では新設建物の設計業務・工事でEIRを原則適用し、BIM活用を推進。延べ床面積3000平方メートル以上の設計業務で必須とするBIM活用の「指定項目」と、すべての設計業務・工事で実施判断を受注者の任意とする「推奨項目」を設定している。営繕BIMモデルは指定項目と、推奨項目の一部を行うことを前提に作成している。