台風22号/八丈島、青ケ島で被害甚大/地元企業が倒木撤去に奔走

2025年10月14日 行政・団体 [4面]

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 9日に伊豆諸島南部を通過した台風22号は、猛烈な風で八丈島や青ケ島などに甚大な被害をもたらした。家屋の損壊や電線の切断、倒木が相次ぎ、海底通信ケーブルの損傷で通信が不安定になった。被害の全容はまだ明らかになっていない。八丈島では10日午前11時時点で多くの地区が断水しており、地元の建設会社が倒木撤去や道路啓開作業に当たっている。
 9日午後に開かれた東京都災害即応対策本部会議で、小池百合子知事は「被害の早期把握、ニーズを踏まえた島しょ部町村への支援、都民への適時・適切な情報発信」を行うよう指示=写真。さらに、電線切断の多発を受けて「無電柱化を進めていく必要がある」との考えを示した。
 10日午後2時時点の動きでは、都が現地の八丈支所が八丈町と青ケ島村の業務を支援している。新たに職員20人を追加派遣し、自治体支援に当たる。八丈島での大規模断水を受け、同日未明には都の給水車を艦艇で現地にするため、輸送海上自衛隊横須賀地方総監部に災害派遣を要請した。
 国も気象庁の災害対応支援チームを八丈島に派遣した。国土交通省が都庁にリエゾン(現地情報連絡員)を配置。海上保安庁も八丈島の病院からの給水支援要請を受けた。
 東京電力パワーグリッドによると、両島では同日正午時点で4990戸が停電していた。同社は台風に備えて現地駐在社員を事前に増強していたが、被害状況を踏まえ、さらなる増援や物資の追加投入の姿勢を見せていた。
 八丈町によると、島内では南原道路、防衛道路、横間道路の一部が通行止めになり、災害協定に基づき地元の建設会社が道路啓開に当たった。水源地周辺で土砂崩れが起こり、その影響で断水が長期化する懸念もある。22号に続いて台風23号が本州に接近。二次災害の防止に万全を期しながら懸命の復旧作業が続く。