名古屋市は、「宿泊施設の客室のバリアフリー化基準に関する基本的な考え方」の案を公表した。一定規模以上の宿泊施設を新築する場合に、客室内の通路幅など事後の改修で対応が困難な項目について条例で基準を定め、義務化する。11月18日まで市民意見を募集する。2026年2月議会に条例案を示し、議決されれば同3月に条例を公布、同9月ごろの施行を見込んでいる。
対象は、建築(新築、増築、改築、用途変更)部分の延べ床面積が1000平方メートルの宿泊施設の一般客室。客室面積が15平方メートル未満の場合は、客室内のトイレ・浴室などの出入り口幅(有効幅員)は70センチ、出入り口に接する通路幅は80センチ以上とする。客室面積が15平方メートル以上の場合はそれぞれ75センチ以上、100センチ以上とする。和室部分や増築の場合の既存部分は対象外。
現行のバリアフリー法などは共用部分や車いす使用者用客室の設置に関する基準を定めており、一般客室内部の基準はない。市は26年10月に開かれるアジア・アジアパラ競技大会を契機に、社会や地域に貢献するレガシー(遺産)として、高齢者や障害者など全ての人が利用しやすい宿泊施設を実現するため一般客室内部の基準をまとめた。