◇ダムなどテーマ、土木の魅力や奥深さ伝える
土木学会(池内幸司会長)主催の展示会「土木コレクション2025」が20日、東京・西新宿のJR新宿駅西口広場イベントコーナーで開幕した。五つのゾーンで土木プロジェクトの過去と現在を紹介し、模型や現物などで来場者に土木の魅力や奥深さを伝える。池内会長、東京都の花井徹夫建設局長、国土交通省の小島優官房審議官(技術)がテープカットを行い、イベントの開幕を祝った。会期は22日まで。
11月18日の「土木の日」にちなんだイベント。通称「ドボコレ」。五つのゾーンを▽ダム▽昭和100年と台湾土木遺産▽渋谷駅改良工事▽首都高-の4テーマに分けた。ダムゾーンでは全国の公式ダムカード817枚を一挙に公開している。八ツ場ダムの役割も建設時の写真・動画を紹介する。
昭和100年と台湾土木遺産は二つのゾーンで構成。関東大震災から現代までの復旧・復興の歴史を図表で示すほか、青函トンネルのタペストリー、台湾に残る日本の土木遺産として、増田淳が設計した曾文渓水路橋(1929年竣工)や、八田與一が手掛けたかんがい・排水路網(総延長約1・6万キロ)を紹介する。
渋谷駅改良工事ゾーンでは、「100年に一度」の大規模再開発が進行中で、未来型都市へと変わりゆく渋谷の計画概要や、JR東日本が取り組んだ工事記録などを展示している。
首都高ゾーンでは、現在工事が進行中の「日本橋地下化」にまつわる展示などを用意。地下にトンネルを構築し、40年までに現高架橋を撤去するという壮大な事業を模型とパネルで詳細に伝えている。
20日のオープニングセレモニーであいさつした池内会長は「本展示は土木の魅力を伝え、歴史資料や写真、図面などを通じて紹介したい。昭和100年に当たる節目の年。日本の高度経済成長支えたインフラの歴史を振り返る絶好の機会だ。会場では八ツ場ダムを中心にダムの歴史を紹介し、東京の地下鉄、首都高速道路、モノレール、新幹線などインフラを取り上げる。これまで築いてきた豊かな社会基盤と、これからの持続可能なまちづくりの可能性を感じ取っていただければうれしい」と述べた。
続いて、花井建設局長が「来場の皆さまが、先人たちの数多くの偉業と新しい時代の土木の魅力に触れていただくことで、土木事業への理解と関心が深まることを祈念する」とあいさつした。
国交省の小島審議官が「土木の歴史や価値を広く社会に伝えるという場だ。インフラの活用を再認識していただける大変有意義な機会である。今年のテーマは昭和の100年ということで、当時の技術者の説明や志が感じられるような展示になっている。新しい時代や未来を感じるような構想に合わせて展示されている」と期待した。
セレモニー後、池内会長、花井建設局長、小島審議官が会場展示を見て回り、貴重な資料やパネル展示の説明を受けた。







