国土交通省は、2026年度以降に新規契約する設計や調査、測量などの業務でスライド条項を試行導入する。まずは実地で行う点検や調査のように出来高が明確に把握でき、変更額を算出しやすい案件に適用する。建設コンサルタント関連3団体が26日に行った要望活動で、金子恭之国交相が試行導入の方針を明らかにした。=2面に関連記事
スライド条項を適用する場面として、国交省は直轄業務の積算に用いる「設計業務委託等技術者単価」が改定されたタイミングを想定する。契約期間内に単価改定があれば、残りの業務に新しい単価を適用し契約額を変更する。技術者単価は上昇基調にあり、スライド条項が適用できれば受注者にとって、大きなメリットになるとみられる。
金子国交相は「複数年度の業務や、年度をまたぐ繰り越し業務が増えている。物価上昇や技術者単価の引き上げを考えると、価格転嫁対策の強化は急務だ」と強調。「(出来高を示す)スライド額を適切に算定できる業務から条項を適用する」と説明した。
点検や調査は、契約期間で業務を進めるペースが決まっており、現場で進み具合を確認しやすい。スライド適用前後の業務量を明確に区切れるため、導入が容易だ。
一方、進捗状況が確認しにくい設計などの業務でも、工程を部分ごとに切り分けて確認する方法がある。設計などへの適用について、金子国交相は「関連団体の意見も踏まえ、適用対象の拡大を検討する」としている。







