東北地方整備局仙台河川国道事務所が整備してきた国道108号古川東バイパス(BP)延長5・1キロが21日に全線開通した。未供用だった宮城県大崎市古川宮内~古川稲葉の1・6キロの工事が完了。同日にアインパルラ浦島(大崎市古川李埣3の2の2)で開通式典を開き、国や県、市の関係者や施工者ら約90人が参加。テープカットやくす玉開披で完成を祝った。
国道108号は宮城県石巻市から大崎市を経由し、秋田県由利本荘市を結ぶ延長約188キロの主要幹線道路。広域防災道路ネットワークを形成する路線として、緊急輸送道路にも指定されている。中心市街地を避けて南側に迂(う)回する古川東BPは、大崎市内の国道108号の交通混雑の解消などを目的に1990年度に事業着手した。
古川鶴ケ埣~古川馬寄の2・3キロが2013年3月、古川宮内までの1・2キロが20年3月に暫定2車線で開通した。全体事業費は340億円。全区間で工事に携わったのは計25社に及ぶ。
式典で村井嘉浩宮城県知事に代わってあいさつした小林徳光副知事は古川東BPの開通が「市中心市街地の混雑緩和や安全性の向上、地域産業振興、救急医療の支援に大きく寄与する」と強調。「石巻新庄道路の早期事業化など、広域道路ネットワークの構築に努めていく」と述べた。
東北整備局の西村拓局長は「16日に成立した25年度補正予算では、全国的な防災・減災や道路ネットワーク強化に向けた予算が確保された。国土強靱化や地方の成長につながる道路整備を着実に進めていく」と力を込めた。伊藤康志大崎市長が地元を代表して「着手から35年の長きにわたる市民の切実な思いと関係者の絶え間ない努力の積み重ねが結実した」と謝辞を述べた。
式典後、伊藤市長は「念願だったまちづくりの未来につながる道路が開通した。これを起爆剤に、次の課題である4号の北に向けての4車線化や石巻市~山形県酒田市を結ぶみちのくウエストラインなど、都市基盤のさらなる整備につなげていきたい」と期待を寄せた。その後、古川大幡に移動して通り初めを実施した。








