凜/熊谷組土木技術本部土木技術統括部・小松花穂里さん/やりがい伝えたい

2026年2月2日 人事・動静 [10面]

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 トンネルの切羽を掘り進めると、岩盤の隙間から一筋の光が差し込む。工事の苦労が一気に吹き飛ぶような瞬間は、「ものづくりの最前線だからこそ味わえる」と目を輝かせる。現場勤務を経て、現在は本社で測量などの現場支援や展示会の説明員を担当。「仕事のやりがいを伝えたい」と、リクルート活動や新入社員研修にも足を運んでいる。
 入社後、初めて配属されたのは、熊本地震で崩落した斜面の対策工事だった。当時は右も左も分からず、言われるがまま仕事をこなすのが精いっぱい。7年後、旅行で熊本を訪れ、地震の教訓を後世に伝える震災ミュージアムを見学する機会があった。「ここの復旧工事をやっていた」。そう職員に声をかけると、返ってきたのは「ありがとう」という感謝の言葉。「携われて本当によかった」。心の底からそう思った。
 トンネル工事の現場も強く印象に残っている。外界から閉ざされた環境は、「シャンプーが泡立たず、髪を洗うのもひと苦労」という過酷さ。崩れやすい地山に遭遇すると、1日に1メートルも掘り進めない。自然は人間の都合に合わせてくれず、臨戦態勢が求められる。でも、そんな環境に慣れてくると、「計画通りにいかないのが、だんだん面白くなってくる」から不思議だ。
 モットーは「何でも挑戦してみる」。「目の前の仕事に一生懸命取り組み、チャンスがあれば所長もやってみたい。いつか大きな現場に挑みたい」と話す。
 (こまつ・かおり)