国土交通省は、建設機械やロボットを自律的に制御する「フィジカルAI」の実用化に向けた検討に乗り出す。建設会社やAI・ロボティクス関連会社、大学などの学術機関がフィジカルAIの技術シーズと現場ニーズを共有する「ピッチイベント」を3月に開く。産学官が連携した検討を通じ、施工プロセスの中でフィジカルAIを取り入れるべき作業などを見定める。開発中の技術の現場実証も積極的に行う考え。現場データの連携基盤など、企業間の協調領域の創出にもつなげる。
ピッチイベントは3月17日に予定。シーズ側とニーズ側の両方の参加者を募集する。参加申し込みの1次締め切りは16日、最終締め切りは27日。シーズとニーズのマッチングを踏まえ、直轄工事などをフィールドに現場実証の機会を与えることを想定。異業種間の情報共有によるビジネスチャンスの創出も期待する。
国交省はインフラの整備や管理にAIを徹底活用する方針を示している。建設現場の省人化や安全性向上につながるフィジカルAIの技術開発・活用を重点テーマの一つに掲げる。まずは民間側の開発動向や現場の課題を直接聞き、今後取り組むべき方向性を固める狙いがある。
土木施工や維持管理、災害対応のさまざまなプロセスで有効性の高い作業などを絞り込んでいく。人の作業をロボットによる自律・半自律作業に置き換えたり、AIやセンサーを組み込んで認識・判断能力を高めた建機で人の作業を補完・代替したりする。
当面の目標として既存技術は効果検証を通じ、1~3年の短期で実用化する。現場の在り方を大きく変え得る将来性の高い技術は、国が関わる形で研究開発と実証を重ねて5~10年の中長期で実用化を目指す。
建設現場に適したAIの開発を促進するため、現場データの標準化・収集やデータ連携基盤の構築に取り組む。ロボット活用などを前提に技術基準類も見直す。土木研究所が整備・公開している建機の自律施工技術基盤「OPERA」を活用した技術開発も促進する。







