東京都市大学/リカレントプログラムの最終発表会開く

2026年2月18日 行事 [2面]

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 ◇地方建設業の若手経営者ら/DXの取り組み、成果披露
 東京都市大学は、社会人向けリカレント(学び直し)プログラム「建設業事業承継DXコース」の最終発表会を、13日に東京都渋谷区の同大学渋谷パクスで開いた。コースを受講した地方建設業や内装工事業などの経営者層9人が、講義や現場見学で得た知見をベースに、事業承継の指針やDXの展望を発表した。
 講評者として、東京都市大の野城智也学長、矢吹信喜特任教授、建設業振興基金の長谷川周夫理事、新建新聞(長野市)の酒井真一編集長が参加した。
 同プログラムは、建設DXのスタートアップであるクラフトバンク(東京都中央区、韓英志社長)が共催し、本年度に開講した。事業承継やDXに課題意識を持つ地方建設業の2代目、3代目の経営者層が対象。2025年10月から計6回講義などを実施した。地域建設業の視点で自社や業界の課題を共有しつつ、先進事例を学んだ。
 松原建設(富山市)の松原悠大社長は、国土交通省が推進するi-Constructionにいち早く対応し、ICT建設機械を導入した。地方都市は少子高齢化の影響もあって人口や社会・経済活動の規模が縮小している。一方でインフラの維持管理コストは横ばいあるいは増加傾向にある。松原社長はこうした実情に着目し、公共工事の受注に注力。現在はすべて元請で受注し、高い利益率を維持していると報告した。
 和賀組(秋田県湯沢市、和賀幸雄社長)からは和賀一晟氏が参加。後継者不足に悩む企業のM&A(企業合併・買収)や、ユーチューブでの動画配信、大学との連携授業などを展開し、若年層の入職に手応えを感じていると発表した。河上金物(富山市)の河上森社長はDXで業務効率が改善し、「採用などの第2領域(緊急性は低いが重要度は高い業務)にリソースを投下できるようになった」と述べた。
 長浜機設(愛媛県大洲市)の福岡信一社長は人事評価制度の改善を報告した。建設キャリアアップシステム(CCUS)と人事評価制度を連動させ、社員のモチベーションアップと制度の透明性確保を図っている。岡部(富山県南砺市)の高平大司氏は、DXプロジェクトを20年から進めた結果、残業を半減できたと報告した。経験を基に、地方建設業のDX支援業務にも取り組んでいる。
 マツナガ建設(長野県須坂市、中村正社長)の小林直樹氏、エス・アイ・ルネス(大阪市中央区)の川口貴之社長、宝来社(富山市)の荒井洋平社長、信和建設(大阪市中央区、前田裕幸社長)の天野英司氏もプログラムの成果を発表した。
 矢吹教授は講評で「歴史は決して繰り返さないが韻を踏む」と指摘。コンピューターやBIMの歴史を学ぶことは、情報社会の未来予測につながると説いた。野城学長は「今回の縁をぜひ生かしてほしい」と述べた。東京都市大は26年度も同プログラムを開講する予定だ。