名古屋市上下水道局/AIで上下水道管データ照査効率化/庁内公募プロジェクトに採択

2026年3月3日 技術・商品 [7面]

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 名古屋市上下水道局は、KKGeneration(KKG、東京都渋谷区、藤田浩之介社長)が開発したAIを活用した管設計データの照査業務を試験導入している。これまでは基準への適合や数量計算ミスの有無を職員が確認し多くの時間を要していたが、自動で確認できるシステムを構築し、効率化に取り組んでいる。
 「AIを活用した上下水道管データの照査業務の効率化」は、2025年度の実証実験では費用や時間に制約があるため、水道、下水ともに管の延長や口径、マンホールの規格など基本的な9項目の照査業務に絞ってシステムを開発。図面と書類をアップロードするだけで整合性を確認できるシステムとした。また、明文化されていない市独自のルールもあるため、KKGが職員にヒアリングした内容も組み込んだ。
 2月27日に開いた説明会=写真=で管路部配水設計課の福井紀行課長補佐は「人間では350秒かかっていた図面の確認が、AIでは35秒で終わった事例もある」と説明する一方で、「25年度は比較的シンプルな工事で採用し、一定の成果が確認できたが、情報が多いものや複合的な工事での導入はできていない。確認項目も一部にとどまっており、今後さらなる検討が必要だ」とした。
 市上下水道局では毎年300件超の上下水道管工事を発注している。図面作成者とは別の担当者が照査業務を行うが、1件につき1~2日かかる上に1カ所でも誤りがあれば公告取り消しとなるケースもあるなど、心身ともに負担のかかる業務となっていた。
 同プロジェクトは経済局の庁内公募プロジェクト「ハッチテクノロジーナゴヤ2025」に採択された。限られた人数で多くの業務を、質を落とすこと無く遂行するために取り組んだ。26年度は既存システムのブラッシュアップなどに取り組む。