鹿島/山岳トンネルの切羽性状評価システム開発/独自ソフトで定量分析

2026年3月5日 技術・商品 [3面]

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 鹿島は、山岳トンネル工事で切羽の性状を定量的なデータに基づき評価するシステムを開発した。スマートフォンで撮った写真や掘削ブレーカーに取り付けた加速度センサー、コンクリート吹き付け機に設置したLiDAR(ライダー)などから必要なデータを素早く取得。独自の分析ソフトで岩盤の風化具合などを算出する。評価結果は帳票として自動出力できる。国内の現場で検証し、技術者や技能者と同等レベルの正確な結果が得られると確認した。
 「切羽評価システム」は計測機器で収集したデータを基に▽風化変質▽割れ目性状▽走向・傾斜▽圧縮強度▽湧水量-の5項目で分析し、状態を評価する。走向・傾斜の評価はAIを活用し、LiDARで取得した大量で複雑な点群データを効率的に処理する。他の4項目は直接あるいは物理的な計測データを使って客観的に判定。多種多様な地質に対応できる。
 山岳トンネル工事では1日1回の頻度で切羽を観察し、性状を確かめる。これまでは技術者や技能者が切羽に近寄り目視などで確認していた。作業に時間がかかり、切羽の剥落など事故のリスクもあった。評価システムで切羽付近に立ち入らず、確認作業の時間も短縮できる。
 今後はデータの取得から分析・評価、帳票作成まで各工程の完全自動化を目指す。自社開発した別の施工システムとの連携も視野に入れ、トンネル工事の安全確保や生産性向上につなげる。