日刊建設工業新聞社が主要ゼネコン35社を対象に実施したアンケートによると、2024年度に採用した社員のうち、25年3月末時点で退職した人の割合は平均4・2%だった。企業別に見ると24社が平均を下回った。大林組、熊谷組、前田建設、淺沼組、ピーエス・コンストラクション、竹中土木、ナカノフドー建設、松井建設の8社は退職者が出なかった。研修の充実やきめ細かなフォロー体制の構築、処遇改善などが成果に結び付いたようだ。
アンケートは2月に実施し、企業別で22~24年度に採用した社員の退職状況(同時点)などを調べた。
各社は一人一人に寄り添った姿勢を重視する。熊谷組は、入社前に社風や業務への理解を深めるための座談会を開き、入社後に直面する現実とのギャップをできるだけ埋めるように配慮する。ピーエス・コンストラクションや松井建設らは、積極的なコミュニケーション機会の創出に力を注ぐ。
研修制度を一段と充実させる動きも相次ぐ。前田建設は、入社後約10カ月間を集合教育・実習に充て、基礎から実務まで体系的に学べるようにしている。研修期間中に個々の特性を把握し、キャリア希望を確認した上で配属先を決める。ナカノフドー建設は、特に入社5年目までの技術社員向け研修を充実している。
初任給やベースアップなど処遇改善も推進して定着率の改善や向上につなげようようとする企業も少なくない。大林組は、賃金のベースアップや賞与の支給額増分を中堅・若手に厚く配分。竹中土木は、初任給を含めた給与の増加によりエンゲージメント向上を掲げる。両社の処遇改善は働き方改革の推進を前提にしている。
大部分の企業が対応しているのがメンター制の導入・拡充だ。直属の上司ではない年齢の近い先輩社員が親身になって仕事の相談や指導に応じ、前向きな気持ちで仕事に取り組めるよう心のケアにも配慮。淺沼組はフォローアップツールも導入している。定期的に人事担当者や上司らとの面談機会を設け、仕事の悩みやキャリアの希望といった状況の把握に努める企業も多かった。
佐藤工業や飛島建設などは、定期的に若手や同期が集まって意見交換や懇親する場も設けている。西松建設は赴任地を配慮し、年齢制限付きで独身者向けの帰省交通費を年3回支給する。日本国土開発は「転勤なし期間」を検討している。







