◇奈良時代の楼閣建築を再現
近畿地方整備局が奈良市の国営平城宮跡歴史公園で進めている「第一次大極殿院復原整備」で、東楼が完成し、14日に完成披露式典が行われた。2022年に復元された大極門(南門)の東側に位置し、伝統木造技術と最新の施工技術を融合して奈良時代の楼閣建築を忠実に再現した。規模はW造2階建て延べ525平方メートル。設計は文化財建造物保存技術協会と近畿整備局国営飛鳥歴史公園事務所、施工を竹中工務店が担当した。
第一次大極殿院は宮都「平城宮」の中心的な施設だったとされる。東楼は西楼とともに、南正面の大極門を挟んで東西対称に建てられ、730年前後に築地回廊の一部を解体し、増築されたと考えられている。
「続日本紀」には聖武天皇が南楼で宴(うたげ)を開いた記述があり、東楼・西楼は儀式や宴席に使用されていた可能性がある。東楼は1973年に奈良文化財研究所の発掘調査で確認された。外周に太い掘立柱を立て、内部の礎石建ち柱で上層床を支える特殊構造で、現存古建築に例のない形式とされる。
復元工事は2022年4月に着工。吉野ヒノキなどの厳選材を用い、品質管理を徹底し工事を進めた。23年3月に外周柱の設置を始め、仮設の素屋根内で木組みを本格化した。同11月に長さ12メートルの大梁を架設し24年3月に上棟。屋根工事などを進め、25年9月に素屋根を西側へ移動し、東楼の外観が姿を現した。BIMなどの3D技術も積極的に活用。伝統木造の施工手順や鴟尾(しび)の形状検討などを効率化した。
式典には奈良県の山下真知事や国会議員ら来賓を含め約150人が出席。近畿整備局の齋藤博之局長は「往時の建造物を忠実に再現するとともに、伝統技能の継承にも取り組んだ。今後も関係機関と連携し、第一次大極殿院の復元整備を進めていく」と話した。山下知事は「東楼に続き西楼などの復元が進めば、国内外からの観光客増加が期待される」と述べ、公園南側の県有地を活用したにぎわい創出にも意欲を示した。
近畿整備局京都営繕事務所の西田誠所長が工事経過を報告後、国営飛鳥歴史公園事務所の柳澤秋介所長が「26年度から東面回廊整備に向けた地盤整備などを本格化する。将来的には西楼なども含め、往時の景観を復元した第一次大極殿院の姿を示したい」と今後の整備方針を説明。最後に関係者がテープカットを行い完成を祝った。







